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グリム童話 Part.2「餓死しそうな子どもたち」

2007 年 5 月 20 日

グリム童話 「餓死しそうな子どもたち」
飢死しそうな子どもたち(Die Kinder in Hungersnot)は、グリム童話の初版に収録されている作品です。

「ほんとうは怖いグリム童話」ってのが昔、ベストセラーになってましたがほんとに怖いね。

なんか、非常に卑情でせつなくて……

でも、終わり方が「娘たちはどうなってしまったんだろう……」と思わせるあたり秀逸です。

娘たちは餓死していて母親に殺されることに気がついていなければと願います。

あ、でも、娘たちの最後については言及されていないから、逆に母親が逝っちゃってる可能性もありますね。
でも、こんな淡々と怖いこと書いちゃうんだからそんな甘くないかな?

追記:2008 年 11 月 14 日
修正前の話では、母親が娘を食料のために殺そうとしていたという内容だったのですが、
これだと、

  • 娘を食べるため
  • 口減らしのため

のどちらともとれる感じでした。

今回、英語の訳をみてみると、食料のために口減らしをしているという内容のようです。
これで、最後に娘が永遠に眠ろうと言った意味がはっきりしてすっきりしました。

飢死しそうな子どもたち:
修正版

あるところに娘二人と母が共にいました。
貧乏でみんなおなかがすき、飢えています。
母が、飢えから、どうにも我慢ができなくなり、正気を失い、娘の一人を口減らしのため、殺そうとしていました。
そこで、もう一人の娘は食べ物を持ってくるから、彼女を殺さないでと母に頼みました。
しかし、彼女は小さなパンをひと切れ見つけることができただけでした。
帰ってきてみんなで食べたがやはり空腹はみたされません。

母は再び正気を失い、今度はもう一人の娘を口減らしのため殺そうとしました。
今回、この娘は母に同じことを言い、小さなパン2切れを持って帰りました。
みんなでこのパンを食べたが、十分ではなくやはり空腹はどうにもならない。

母はみたび、娘を殺してみようとしていました。
そして、娘は世界の終わりが来るまで横になって寝続けようと母にお願いしました。
娘たちは、眠りにつき誰も目覚めることができませんでした。
そして、母だけはどこかへ姿を消してしまいました。
娘たちは、眠り続けました。そして、再び母を見たものは誰もいない。

修正前

あるところに娘が二人いる女がいた。
貧乏でみんなおなかがすき、どうにも我慢ができなくなると母は正気を失い、娘を殺して食料を作ろうとした。
そこで娘は食べ物を持ってくると言い、小さなパンを持って帰ってきてみんなで食べたがやはりおなかはぺこぺこである。
母は今度はもう一人の娘を殺すと言ったが、その娘は小さなパン2つを持って帰ってきてみんなで食べましたが、やはり空腹はどうにもならない。

母はまた娘を殺すと言ったが、娘は世界の終わりが来るまで横になって寝続けようと言った。
そこで三人は寝てしまい、誰も起こすことはできなかった。
母親だけはどこかに行ってしまい、どこに行ったのかは誰も知らない。

英訳版

There was a mother with two daughters. They were very poor and starving. The mother was so hungry that she lost her mind and was about to kill one of her daughters for food. The daughter asked the mother not to kill her as she would go out and find them food. However, she could only find a small piece of bread. It did not last long and the mother again lost her mind and tried to kill the other daughter. This time, this daughter told her the same thing and brought home two pieces of bread. They ate the bread but it was not enough.

The mother was about to try killing her daughters again. This time, the daughters suggested they sleep until the end of the world. They slept, but no one could ever wake up, the mother disappeared and no one has seen her again.

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