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UAW 全米自動車労働組合はどんな団体?

2009 年 5 月 8 日

UAW 全米自動車労働組合

photo by Hammer21

UAW(全米自動車労働組合)はアメリカで自動車産業、農耕機具、航空宇宙産業などの、労働者を組合員とする産業横断組合。

UAWは組合員、その家族、退職者向けの医療費補助や年金などの社会保障などを、ロビー活動などを通じて、労働者にかわり労務交渉を行ってきました。

1935年アメリカで制定されたワグナー法(全国労働関係法)
最低賃金や労働時間、団結権や団体交渉権を保障。
この当時、アメリカ労働総同盟の傘下で発足。

現会長はロン・ゲッテルフィンガー。
本部はミシガン州デトロイト。

アメリカ自動車業界の景気が賑わっているときには、UAWが勝ち取った社会保障はビッグ3(GM、クライスラー、フォード)にとって労働者の労働意欲を高めることができるため問題なかったのでしょう。

しかし、クライスラーは破綻し、GM(ジェネラルモータース)も2009年5月末日には破綻するかどうか決定するといわれ、フォードも2009年度末には危険なのではないかといわれる昨今、各社報道機関のニュースではUAWが再建の足かせになっていると言われています。

なにが足かせとなっているのかというと、これまでUAWが勝ち取ってきた、手厚い社会保障にかかる経費が問題のようです。

そして、UAW組合員の時給は1時間あたり70ドルとも報じられていて、この金額が日本メーカーなどの時給とかけ離れているというのです。

ですが、この時給70ドルというのは、社会保障(保険、年金、退職金)+現組合員の実質給料を、現在、働いている人数で割ったものなので実際の時給は日本メーカーとそれほど変わらないようです。

しかし、単純に考えると、現状の賃金、保証体制では、作業員一人あたり、1時間約70ドル以上稼ぎ出す必要があるということになります。

裏を返すと、作業員一人あたり、1時間約70ドルコストがかかっているということですね。

クライスラーが破綻し、UAWがクライスラー株式を50%近く保有することになるそうですが、労働組合としてこの構図は明らかに違和感ありますね。

ここからは私の憶測です。

おそらく、ここでの構図もピラミッド底辺付近の労働者賃金はそれほど高いと言えるようなものではないのでしょう。(社会保障制度は手厚いようですが)

お決まりの、ピラミッド上部の人間に対する、保証、賃金が高いのだろうなと思います。

なんにせよ、いつも割を食うのは底辺の労働者です。なるべくそうならない方向に進んで行くことを願います。

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