グリム童話 Part.3「子供たちが屠殺ごっこをした話」
グリム童話集の「子供たちが屠殺ごっこをした話」(Wie Kinder Schlachtens miteinander gespielt haben)は、あまりの残酷さから、初版のみの収録。
「子供たちが屠殺ごっこをした話」は2話構成です。
1話目の感想:
屠殺屋(とさつや)ごっこってのがスゴイね。
英語だと「butcher」(ブッチャー)なのかな?(地獄突きのアブドーロザ・ブッチャーを思い出す。)
屠殺屋ごっこをする子どもたちに輪をかけて、裁判官の迷裁きが映えます。
無邪気な子どもが罪の意識もなく屠殺屋ごっこによって”豚”役を殺害し、
無邪気な子どもですから笑いながら林檎を選んだのだとすれば、
「無邪気」そこにはとんでもないモノが潜んでいるといったとこでしょうか?
もしかしたら、この裁判官は子どもたちが罪を認識しているのか?責任能力はあるのか?
という点を「金貨」と「林檎」で判断したのかもしれませんね。
そうであれば、迷裁きではなく、ナイスな裁きだったのか?
2話目の感想:
これもやはり、屠殺屋ごっこ繋がりなんですが、
悪いことは波紋のように波及していくと説いているのでしょうか?
もし、そうであれば父親が豚を屠殺した事が発端となります。
でも、屠殺しなきゃ豚は食べられないしなー。みんな、豚は食べるもんね。これでは、豚を食べることが悪いという論法になってしまうので違うかな。
しかし、ストーリー展開に、ひとすじの光も差し込んでこないのってゾッとしますね。
「こわいですね、こわいですね、こわいですねぇ」という、日曜洋画劇場の淀川長治さんの名文句が聞こえてきそうです。
グリム童話「子供たちが屠殺ごっこをした話」1話
フリースランド(現在のオランダ)のフラネッカーという町で子供たちがそれぞれ分担して屠殺屋ごっこで遊んで”豚”役の子供を殺害する事件が起こった。
“肉屋”役は裁判にかけられる。
裁判官の1人の老人が「林檎と金貨を彼らの目の前に用意し、林檎を選んだら無罪、金貨を選んだら有罪」と提案。
判定当日、子供たちは笑いながら当然のように林檎を選び、無罪が確定した。
グリム童話「子供たちが屠殺ごっこをした話」2話
父親が豚を潰す様を見たある兄弟は、それぞれ肉屋役、豚役となって兄は弟を殺す。
末っ子(3番目の子ども)に湯を使わせていた母親は、その光景を見て、弟の喉もとの剣で兄を殺すが、母が目を離した隙に末っ子が死に、それを悔やんで自殺する。
そして、畑仕事から戻った父親はそれらの光景を悲しんでまもなく死んでしまう。
イメージ画像について:
このお話に出てくるのはどちらも豚ですが、牛が自分の肉をうまそうに見ています。
肉骨粉を牛の飼料として使うのってこれと同じようなものですね。
こうして見ると、なんか複雑な気分になりますね……
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これ知ってます(T@T)
こえぇ